いろはにほへと占星術

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ホロスコープ

幸田露伴氏のホロスコープを分析してみました。

1867年8月22日の東京都、当時の江戸の生まれです。
出生時間は不明。


☆全体的な印象☆

天体配分は、

火4、水3、風1、土2
活動3固定6柔軟1

です。


出生時間はわからないのでハウスや月の正確な度数はわかりませんが、獅子座の合とそれと牡牛座のスクエアがこのホロスコープの軸のように見えます。そして、それに対して他の天体が彩りを加えている感じです。エレメントの比率を見ると、火と水が強いですね。小説家なので、抽象性や感情が好きな火と水はぴったりだと思います。創造的な精神もあり、キャラクターや物語に情緒をもたせる水もある。

風が少ないですがそれは人とコミュニケーションするより小説を作ることに意識が集中してるからなんだと思います。作家業にかけるエネルギーが強く、他のことに回すほど余裕がなかった。しかし、風のエレメントの情報面は火が補ってくれますし、人間関係は水が補ってくれるのでまあそんなに問題ないのかと。ただ、火と水ですから興奮や感情に左右される情報処理、人間関係です。風のようなドライさはない。味わい深い奥行きが生まれます。

で、土ですがこの人、月が牡牛座なんですよね。後述しますが、この人の牡牛座は一人で、周囲に流されずじっくり考えるというふうになってると思います。根本的な思考、感情傾向を表す月がそういう属性を持つということは、この人は意欲や情緒を持ちながら、人の意見を聞きつつも、根本的には自分で考える人だと考えてもいい。外部の情報は取り入れるが、結局は自分で物事の意味を決めるよ、ということです。おそらく風が1なのは、そういう外部に開かれてはいるが、意思を流されないという性格傾向を示していると思う。

で、実際この人の人間関係とか、風少ないけどコミュニケーションどうだったとか考えたいところですが、それはエレメントというよりハウスが重要になってくるので、出生時間がわからない現状では決定不可能ということになります。


そして3区分としては、固定宮が強いですね。続いて活動宮。これは固定宮をサポートする形で機能している。柔軟宮は少ないですね。なので外部の意見には流されないです。頑固なところがある。風エレメントも少ないですし、閉鎖的なところがありますね。



☆アスペクト・サビアンからホロスコープを分析する☆

では、具体的なこのホロスコープで何が行われてるか見ていきましょう。ハウスがないのでアスペクトを中心にしながら分析していきます。

まず、太陽と木星のオポジション。

太陽は獅子座29度であり、これは創作活動に使われることが多い度数ですね。獅子座が乙女座に近づいているポイントで、獅子座の創造的な意思が乙女座的な作業に持ち込まれようとしている。これはまさに小説の執筆ですね。獅子座で楽しく創造性を働かせるわけです、そしてそれに具体的な表面を与える。具体的な部分が言葉や文章です。獅子座だけでは大雑把で漠然としたところがありますが、乙女座の影響を受けることで具体的な表現が可能になってる。獅子座の火を具体化してると考えていい。

木星のほうは、魚座4度。これは自分が良いと思うものを社会に広めていこうとする度数です。布教活動みたいに。4というのは環境に根付くみたいな意味があるんですが、大切な価値あるものを環境に浸透させようとしているんです。で、具体的にその価値あるものって何かというとこれは想像なんですが、木星が表している理想とか憧れなんだと思います。

幸田露伴という人物は理想主義の作家だったらしい。いっしょに語られることが多い尾崎紅葉は写実主義だったのだとか。幸田露伴は小説に理想を持ち込むタイプだったわけですね。彼の憧れとかこうあるべきみたいなのが入ってる。小説に描かれてる世界は彼の理想が投影させた世界なわけです。で、私は彼の作品かなり昔に読んだのでもう内容忘れちゃってるんですが、おそらく読んでみれば木星に意味がわかると思いますよ。

で、この太陽と木星の180度なので、太陽はいつも理想を意識してます。なので小説は理想と通して描かれる。29度の獅子座的な部分とは木星の理想によって生まれたワクワクなんでしょうね。180度ですからこのアスペクトはいつも機能しています。なのでこの人はいつも理想を意識していることになる。

金星と水星も獅子座なので、浪漫とか夢とか好きな人なんですよ。演出家的なところもある。大げさというか人をあっと言わせることが好きそうです。自分が中心となって情熱を世界にぶつけたい。そんなとこがあるんでしょう。しかも、木星が関わってるからどんどん大げさになる、かつ180度なのでどんどん他者に対して自分の意思を表現していきます。


ただですね、水性と金星に関してなんですが冥王星のスクエアで叩き落されます。獅子座の夢が挫折するわけです。ここで気になるのが冥王星と土星、月の180度。

月の度数は不明ですが位置的に土星と180度です。月は土星をいつも意識してます。なので苦しさを意識しているわけです。ルール意識とか厳しさを考えて自分の考えを素直に表に出せない。特に土星は蠍座で裏を読むのが得意ですからね。蠍座19度の土星なんで無意識とか感情的メッセージを他者に伝えようとしてるんですけど、土星なんで恐怖がある。なのでストレートには表現しません。他者を意識して適切な表現に変換します。つまりアスペクト的にも度数的にはコミュニケーションの困難さを意識している人ですね。

で、冥王星土星も180なんですよ。これは冥王星の限界を越えようとする意識が土星を意識することで、狭量さとか視野の狭さが生まれるとかいいます。土星の制限とか抑圧を限界まで意識しちゃうってことですね。で、周りの人がそれを見ると頭硬すぎだろ、もっと世界は単純で割と楽なんだよって言いたくなる人。しかし、この人がこんなにもコミュニケーションに対して臆病というか厳格なところがあるのは、本人が物凄く理想主義な面があるからです。

そして普通の人はそんなに理想主義ではないんですよ。だから、うまく表現しないと自分が伝えたいことって理解されない。そもそもこの人、180度の外への拡大欲求を持っていてしかも木星はまさに普及活動の度数ですから、他者への伝達は絶対成功させないといけないんです。それが、顕著に現れたのが土星、冥王星、月のオポジションです。
そして冥王星は牡牛座17度で作ったり壊したり試行錯誤する度数なんですけど、これはおそらくうまく伝達するためにはどういう表現にしたらいいか悩んでるんですよ。なので執筆活動です。

で、獅子座と蠍座・牡牛座のスクエアをまとめると、獅子座的にどどーんっ!と自分の理想を伝えたいんだけど、ストレートに書くと他者に理解されずはずもないので、伝達の厳しさを意識して適切な文章を模索するという流れでしょう。けっこうイライラするかもですね。周りとの温度差意識する人だし。


あとは、海王星・天王星・火星のスクエアくらいかな。海王星は牡羊座15なので、これはじっくり焦らず安定しながら新しいアイディアを出すってことかな。それが蟹座12度の天王星に伝わります。これは自分が信じてる価値あるものを育てようとする度数ですね。木星とほぼ意味は同じです。蟹座の天王星ということで、価値あるものを普及させたいんだと思うんですが天皇星なので周りとは断絶してます。つまり、自分とは違う人に自分が信じる価値観を伝えたいんです。

そしてさらに天秤座の火星に伝わります。これは度数が不明なんで意味はわからないんですが、天秤座なのでコミュニケーション、しかも火星なんで戦いということを考えると、天王星が他者に自分が信じる価値を伝達した結果、理解されなくて戦いになってるんでしょう。もしくは伝えようとして、伝わらないだろうなーとか考えて相手を攻略するべきターゲットに見始めてるというか。

で、少し前に戻って海王星は牡羊座15度なんですよ。これって理想を目指して仲間を増やしつつ焦らず頑張るぞって度数です。つまり、この火星・天王星・海王星のスクエアは自分の信じる価値観を伝達しようとしてうまく行かないからもがいてる天体なんでしょうね。海王星が取り組んでるのはこの状況を打破するためにアイディアを生み出すことだ、たぶん。ちょっとずつ理解者を増やす豊富を模索してる。


□まとめ

これで全天体見れましたね。
セクスタイルとトラインは見てないですが、まあ大体ホロスコープの意味わかったしいいかなと思います。

作風としては理想を強く意識するタイプで、なおかつそれが簡単には理解されないことも十分意識しており、けれどもそこを何とかして理解されるよう文章を書いていこうとした人なのでしょう。

そして上で書くの忘れましたが、土星・金星・冥王星と月がTスクエアを形成してます。これはスクエアの挫折を2回行った上での肯定であり、思慮深いアスペクトと言われています。土星でルール厳守で伝達しようとしたけどやっぱり獅子座みたいに浪漫を意識して文章書きたい、けれどそれがまた冥王星に否定されるのでストレートには書けず適切な文章を模索する、そして最後にオポジションとして肯定され他者へ伝達されるのです。このときには金星はスクエアしてこないとすると、獅子座の浪漫をうまく伝えられるような適切な表現が見つかったのでしょう。ここまで考えて思いましたが、獅子座29度太陽が求めていた乙女座的表現ってこの他者へ理解される表現のことなんでしょうね。そこへ理想を落とし込みたくて太陽は頑張ってた。

ホロスコープを読むときはどのサインに天体があるかだけではなく、サインのどの度数に天体があるかまで細かく見ましょう。

たとえ同じサインであっても、前半と後半ではかなり性質が変わります。前半15度においてはそのサインが本来持っている性質が純粋に発揮されるのですが、16度以降においては対抗する位置にあるサインが干渉してくるため、そのサインが本来持っていなかった性質を獲得することになるのです。

牡羊座ってストレートに物を言って、行動的でいつも行動的で走り回ってて~とか、蠍座って仲間といっしょにいるのが好きで依存傾向があってとかいうのは1度から15度までの性格なのです。それ以降、特に16~20度は非常にそのサインらしく無い性格になります。初めの頃の度数は若い度数とも言われていてその名のごとく若々しく純粋だが経験は少なく挫折しがちです。そこから後半になるに連れて老いた度数と呼ばれ、当初の純粋さは無くなってしまったが経験豊かで逞しい性格へと育っていくのです。

そして、さらに26度から30度は次のサインへ移動するための調整期間のようなものであり、これまで興味を持っていた対象からは離れていきます。たとえば天秤座では、初めの頃は人間関係に没頭していましたが次第に興味の対象を、知識や歴史、人類全体へと変えていきます。個人へ目を向けることは1度から25度の間で十分済ませたのでより大きなものが気になるようになったのです。そして、より大きく、深みのある何かを求めようとする意識は蠍座への移動を促していきます。

しかし、一つ一つのサインの間には大きな断絶があり、その移動というのは簡単にできるものではありません。実際、サインの影響というのは次サインの2度まで続きます。1度ではまだ前サインの影響を引きずっているのです。なので、26度~30度ではもうこのサイン飽きて違うことしたいんだけど中々新しい一歩が踏み出せないと行ったようなモヤモヤした気持ちが生まれるでしょう。そうした状況を打開するために様々な行動をするのですが、それはこれまで馴染んでいたものから離れる行為であり、人によっては大変な辛さを味わいます。特に、蠍座30度は涙の度数と呼ばれています。元々愛情深く執着心の強い蠍座が今までの環境から離れようというのですから涙するのも当然なわけです。一つのものに執着し苦しんだ経験が旅する射手座へと導くわけです。

後半の度数はサインの移行期間でもあり、そこには多くの葛藤も含まれているわけですが、2つのサインの性質が混ざりあっていてとても魅力的な性格をしていると思います。うまく活かしていきたいものです。

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