今日は月と冥王星のスクエア、90度について考えてみます。

一般的にはこのアスペクトは非常に辛いものだと言われています。

実は私の長い付き合いの知り合いにもこのアスペクトを持っている人がいるんですが、その人はとても辛そうです。常に自分の過敏な感情に悩まされている感じです。
穏やかでいられる時間がとても少ない。なので、身近な人に感情的になって当たってしまってあとで後悔することもしばしば、という感じの人です。


なぜ月と冥王星のスクエアが危険で辛いものかというと、そもそも月というのは穏やかさとか、安全・安心、プライベートな部分における平和の象徴みたいな天体なんですが、これに大して他の天体がスクエアを持つと月の安心を傷つける・脅かすという作用が生まれるのです。特に冥王星は極端で過剰な意識ですから、月の安心感はかなりの恐怖に襲われます。そして冥王星に振り回されて深刻な感情に嵌ってしまうのです。

つまり、普段は普通に穏やかに過ごしてるんだけど(これが月の部分)、ある時急に冥王星が干渉してきて極端な感情・意思に嵌ってしまうのです。スクエアは見えないところからの干渉なので、自分でもその感情をコントロールできません。結果、穏やかに普通にしていたのに何故か急に怒り出したり、悲しんだり、落ち込んだりする感情のアップダウンが激しい人になってしまうのです。

しかも、スクエアは後で元に戻ってくるので、極端な感情の状態から月の穏やかなモードに戻ります。人によってはその時なんであんなことを言ったんだろうと後悔したり苦しんだりします。というのは穏やかな精神状態のときって家族や友達と話したりしてるじゃないですか。このときに急に極端な感情になるってことは、当然人間関係にヒビが入ったりするんですよ。喧嘩になったり、仲悪くなったりね。辛いんです、このアスペクトは。仲良くなった周りの人からも倦厭されるようになりますし。。冥王星は100%の集中力で実行される天体なんで命がけです。火事場で普段出せない力を出してる時みたいな精神状態。
なので人に話や意見を聞いてる余裕がないです。人の話を聞かない人って思われることも多いです。本人は大変な精神状態なんでとてもじゃないですが、そんな余裕ないんですよね。

さらに言うと、冥王星ってその作用が発動しているときでも本人は気づかない天体なので、(←行動に100%集中しているときは行動してることに気づかないみたいな感じです。冥王星の100%の集中力ゆえの作用)、本人も気づかぬ間にこういう極端な感情モードになってる可能性もあるんです。そしてずっとそのことに気づかない人もいる。気づくか気づかないかは人によって違いますけど。

あとこのアスペクトが困るのは疲れることですね。月って休む天体でもあります。プライベートでリラックスしてる状態です。そこを急に全力で冥王星に走らされるわけです。休むことができません。せっかく休んで溜まった元気も全部冥王星の活動に持っていかれちゃいます。

ただ厄介なのが、そうやって冥王星に振り回されて過剰な意識を持つことも、その人にとっては月、つまり自分の基本的な状態の一部だってことです。冥王星に振り回されて元気を無くす人もいますが、逆に振り回されて過剰な意識を持つことでそこから活力を持って帰ってくる人もいるんです。全力を出して元気が出るかんじ。その元気が月に持ち込まれていると考えてもいいです。

私の知り合いのケースですが、その人は普通な状態では悩みがち、ひと目を気にしがちな人でした。元気もあまりなかった。それで周りの人はその人を気にして優しくしたりするんですが、すると今度は逆に怒り出したり、高圧的になるんです、周りのことなど気にせず。そしてその後はとても元気になるんです。後でまた憂鬱な状態になってますけど。

つまり、普段元気な人が冥王星に力を持っていかれるケースと、普段落ち込んでる人が冥王星から力をもらうケースがあると考えていいでしょう。
どちらにせよ人間関係において、非常に困難な面を持ってます。かなり警戒されます。


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そもそも、なんでこういう極端な精神になってしまうのかというと、やはり幼少期の体験が理由の人が多いみたいです。

月の性格は子供時代に決定されます。
その時穏やかで平和な日常を過ごしていると、大抵は穏やかな月が育つでしょう。しかし、穏やかに過ごしているときに急に邪魔されたり、危機に落ち込んだらどうなるでしょうか。平穏な状態から一気に、恐怖MAX、敵意MAXってかんじです。この時、穏やかである自分と、そこから急に極端な感情を持つ自分が生まれます。

そして大人になって成長した後は、この平穏←→極端な精神を状況に関係なく自分でしちゃう癖が付いてしまうんです。たとえ完全に安全な状況であってでさえです。過去の後遺症みたいなものですね。平和になってもかつての癖が抜けないみたいな。


それもその人の性格、個性ではあるのですが、やはり普通に生活していくには辛いアスペクトです。

インナーチャイルドケアなどによってこのアスペクトの衝動を緩和しようとする人もいます。子供の頃の自分に向けて手紙を書いたりね。

辛い面も大きいアスペクトですが、ちょっとずつ楽な方向に向かっていければと思います。