ホロスコープを読むときはどのサインに天体があるかだけではなく、サインのどの度数に天体があるかまで細かく見ましょう。

たとえ同じサインであっても、前半と後半ではかなり性質が変わります。前半15度においてはそのサインが本来持っている性質が純粋に発揮されるのですが、16度以降においては対抗する位置にあるサインが干渉してくるため、そのサインが本来持っていなかった性質を獲得することになるのです。

牡羊座ってストレートに物を言って、行動的でいつも行動的で走り回ってて~とか、蠍座って仲間といっしょにいるのが好きで依存傾向があってとかいうのは1度から15度までの性格なのです。それ以降、特に16~20度は非常にそのサインらしく無い性格になります。初めの頃の度数は若い度数とも言われていてその名のごとく若々しく純粋だが経験は少なく挫折しがちです。そこから後半になるに連れて老いた度数と呼ばれ、当初の純粋さは無くなってしまったが経験豊かで逞しい性格へと育っていくのです。

そして、さらに26度から30度は次のサインへ移動するための調整期間のようなものであり、これまで興味を持っていた対象からは離れていきます。たとえば天秤座では、初めの頃は人間関係に没頭していましたが次第に興味の対象を、知識や歴史、人類全体へと変えていきます。個人へ目を向けることは1度から25度の間で十分済ませたのでより大きなものが気になるようになったのです。そして、より大きく、深みのある何かを求めようとする意識は蠍座への移動を促していきます。

しかし、一つ一つのサインの間には大きな断絶があり、その移動というのは簡単にできるものではありません。実際、サインの影響というのは次サインの2度まで続きます。1度ではまだ前サインの影響を引きずっているのです。なので、26度~30度ではもうこのサイン飽きて違うことしたいんだけど中々新しい一歩が踏み出せないと行ったようなモヤモヤした気持ちが生まれるでしょう。そうした状況を打開するために様々な行動をするのですが、それはこれまで馴染んでいたものから離れる行為であり、人によっては大変な辛さを味わいます。特に、蠍座30度は涙の度数と呼ばれています。元々愛情深く執着心の強い蠍座が今までの環境から離れようというのですから涙するのも当然なわけです。一つのものに執着し苦しんだ経験が旅する射手座へと導くわけです。

後半の度数はサインの移行期間でもあり、そこには多くの葛藤も含まれているわけですが、2つのサインの性質が混ざりあっていてとても魅力的な性格をしていると思います。うまく活かしていきたいものです。