魚座の水星についての記事です。

魚座の水星といえば、優柔不断とか人のことを気遣うあまりに疲れ果ててしまうとか、スピリチュアルなことに興味関心があるなんて言われる事が多いですよね。これについて考えてみます。


□魚座から水星が受ける影響

まず、魚座自体について考えてみましょう。
魚座といえば12サインの最後のサインであり、人生の集大成、終活みたいなサインです。印象としてはスピリチュアル専門のサインというか世捨て人感があります。実社会のどこでこのサイン使う?なんて思ったり。

というのはそもそも、魚座ってそれ以前の牡羊座~水瓶座で十分な社会経験を積んだ後にできるサインなんで社会的な価値観を重視していないんですよ。社会的な価値については水瓶座まで、魚座ではそれらのサインが取りこぼしていた面を掬い上げてるのです。

結果、社会的な考え方や物の見方、常識などは薄れ、自分本来の魂の性質に応じた価値観を形成していきます。イメージとしては定年退職して社会的な役割をあまり求められなくなって暇の時間ができたとき、何を大切にするのかってかんじです。人生の寿命は残り少ない。その時、社会的な価値を重視するでしょうか?たぶんしません。というのは、社会的な価値観というのはやはり社会の参加者の間で通用している価値観なんですよ。なので、社会から離れてしまった者にはその価値がよく分からなくなる。若い時はなんかそういうの好きだったよね、ってかんじです。

そしてその時浮かび上がってくるのが、社会から求められて重視していたわけではない、自分が自分自身の心の底から求めていた何かです。本当に欲しい物、したいことです。占星術でいうとホロスコープ的な性格です。普通の人って社会生活をしているうちに本来の性格が改造されちゃうんですよ。この社会って自然状態の人間が生きづらい社会なので、ありのままの性格ではいられない。定年退職後にようやく本来の自分に戻れる。といっても、12ハウスに天体がある人やトランスサタニアンからハードアスペクト受けてる人なんかは、若い頃から魚座的思考をしますけど。それに現代はブラック性が強くて若い頃から厭世的になりやすいんですよね。結果、魚座的思考をすることがある。

そういう魚座の影響を受けることで水星は、社会的な価値観、思考形式から切り離された上で本当に大切なことは何なのかを考えていく作用を持ちます。

まぁ、その人本人は社会がどうとか、自分の大切なことって何?とか意識して考えてるわけじゃないんです。そうではなくて、魚座水星の人が何か考えると自然とそういう風になってしまうんです、頑張らなくても。本人としてはごく当たり前のようにやってしまうんです。

だから、社会的な活動にはかなり向いてない面があります。思考が合わないでしょう。気をつけないと周囲から浮いてしまいます。他の天体がそれを補ってくれるような配置をしていれば水星は長所となってくれますが、逆に魚座性を助長するような配置の場合は、なかなか生活が大変です。


□柔軟宮・偶数サイン・水エレメントとしての水星

さて、ここまで魚座の特徴である社会から切り離された価値観の面から水星を分析してみましたが、次は他の要素を見てみましょう。

魚座とは偶数サインであり、水エレメント、柔軟宮です。

これは簡単に言うと、あまり物事を表に出すタイプではなく考え方は過去を重視し、自分や人の感情に気を配り、そして変化する状況を好むということです。

そういう感じなんではっきり言って、コミュニケーションではストレスを溜めがちです。聞き手としては優れた才能なんで癒やし力はあるんですが、如何せん自分の意見を言うのが苦手。人を突っぱねるのとか断るのが苦手です。相手の感情を気にしすぎてしまう。だから、人にひっつく性質がある水サインですが、そういう人の影響を受けすぎてしまう自分を守るために引きこもりになることもあります。

で、じゃあ一人になって何をするかというと、これが困ったもので何もできない。というのは柔軟宮なのでそもそも一人で何かを始めるタイプではない。周囲へのリアクションで成り立つ思考をしているのです。しかも、拡散するタイプの思考形式なためまとまりある思考ができません。興味関心があっちこっちに行って結果が残せない。

というわけで、社会から切り離された思考をしているのに、一人で行動するのは不向きという弱点を抱えています。


しかし、こういった面は水星だけを取り上げて考えているだけなので、他の天体のサポートがあれば大丈夫なケースも十分あります。特に形ある思考を重視する土星がサポートしてくれれば良いんじゃないでしょうか。そもそも、魚座ってほかのすべてのサイン、天体の協力を前提としているような面があるんですよね。社会から自分を切り離したところで浮かび上がる自分の意思というのはつまり、ホロスコープ全体のことでしょう。ホロスコープの天体活動をするために、水星で社会からの影響を遮断しているというか。なので、他の天体たちと協力しながら、魚座水星は外界と適切な距離を保つ接点となり行動していけばいいと思います。

コミュニケーションという一面を見れば、メリットもあると思うのです。まず、柔軟宮なのでそもそも人の話を聞くのが得意。水サインなので、柔らかさのある会話をします。具体的な表現は苦手ですがその分、人を傷つけない会話ができるのです。そうした面は相手が積極的に話す側に立ったコミュニケーションでは利点となるでしょう。火や風は自分が話したいし、土は言葉が角ばってて相手を傷つけやすいので。そういった柔らかさのある言動がカウンセラー向きって言われるんでしょうね。

もう一つ、良いなと思ったのは直観力があること。物事を深く考えたり、具体的なまとまりある思考をするのは苦手なのに、妙に鋭いところがある。それはたぶん、水星が日常的な思考や社会的価値観に振り回されない思考をしているので、トランスサタニアン側の意思に共鳴しやすくなってるからだと思うんです。特に海王星の夢見。そこから、何かしらの答えが伝わってきてそれを水星がアウトプットしてるんじゃないでしょうか。そういうのって、日常会話では脈絡なく出てくる意見となるので相手に伝わりにくいし説得力を持ちづらいですが、スピリチュアル方面で自分の力を使っていくなら助けになると思います。