さて、今回は2番目のサインである牡牛座です。

前回の牡羊座との最大の違いは、身体性の存在です。牡羊座の時点では存在しなかった身体の感覚が牡牛座にやってきたことで発生しました。これによって五感に基づく行為への熱中や、物欲、所有欲が発生します。その過程で物質を手に入れるための環境への介入も発生して、その辺りが次の双子座を発生させる要因となっていくんだろうと思います。

牡牛座というサインは、牡羊座が世界ではなく自分の肉体に目を向けたサインなのだと考えるといいかもしれません。牡羊座の時点では興味の対象は世界でした。それは社会や周囲の環境というよりも、抽象的な意味での世界です。なので形のないものや、宇宙、スピリチュアルな対象にも突撃していく傾向がありました。そして、その牡羊座の世界に対する好奇心が終了した後で生まれたのが牡牛座です。世界に興味が無くなって、ようやく自分の体を意識したのです。すなわち肉体を、大地を見た。

そこで、牡羊座の持つ好奇心、熱意が肉体に対して向けられたと考えてみましょう。当然、肉体を使ってみたくなります。五感を味わいます。五感を通して感じられる快楽に没頭します。まだ肉体感覚が発生したばかりですから、とても新鮮な感覚なのです、それは。ですから、生じた感覚に対して冷静ではいられない。蕩けるような心地よさを感じて堪能しています。音楽を聴いて恍惚としたり、食事に舌鼓を打ったりするあのかんじです。音楽を聴いても感動できる人、できない人がいるけれどそれは牡牛座に天体があるか否かという面があります。まだいずれ音楽家のホロスコープを見てみましょう。

で、そんなかんじで五感や物質の良さを堪能している牡牛座ですが、やはり時が経つに連れてだんだん飽きてきます。そして少しずつ異なるものを味わっていくんですが、結果として地元社会の文化や伝統に興味を向けます。イメージとしては伝統芸能とかの世界ですね。壺とか焼くやつ。あれは手を使って作る職人技じゃないですか。まさに牡牛座の世界です。自分の肉体を、センスを使い、それによって物質を加工し新たな形にするのはとても楽しいことです。牡牛座のルーラーは金星。牡牛座とは、五感を使いながら物質世界を味わい楽しむサインなのです。

エレメントとしては、土。土が示しているのは、五感を通して感じられる明確な対象を手に入れようとする心理です。火サインと比べてみればわかりやすいですが、たとえば牡羊座の場合だと、幽霊とか信じます。宇宙とか遠くにあるもの、未来的なものも好きです。でも、牡牛座はそうではない。触れられないし、感じられないからです。目の前にあるものがすべて。物質世界がすべてです。しかもその視野は限りなく狭く、広くても地元社会程度にしか拡大しません。というのも、肉体、大地に根付いていこうとする意識ですから、遠くまで興味が行かないんですよ。そういうのは双子座とか射手座が好きな分野。牡牛座は日常にあるものを楽しみます。だから、地味でつまらない面もあります。グルメですけど、食事って興味ない人から見れば何が面白いのかわからないってかんじでしょう。特に火、風サインの人から見れば。

あと、偶数サインで、固定サインですね。これは、あまり外部に意思表示せず、マイペースでのんびりしていて、変化を好まず、しかも強固に一つの場所に留まろうとする性格です。マイペースで頑固ってかんじでしょうか。いつも同じことをやってます。芸術作品みたいな長時間継続しないといけない作業は得意です。全く苦ではない。逆に移り変わりの激しいジャンルのことは嫌いです。穏やかなのが好き。淡々とじっくり焦らず物事を進めていきます。それは、火風サインや活動柔軟サインの人からすると物凄く見ていてイライラする光景かもしれません。なにせ、頑固で納得するまで動かないです。職人向き。これが2番目の地サイン乙女座になると柔軟サインなので周囲の要求にもスムーズに対応してくれるんですが、牡牛座だと締切迫ってるから早くしてよーって言っても自分で納得しないかぎり終わらせません。協調性低いです。自分とは違う人の意見とか聞きません。

こうした牡牛座のマイペースかつ融通が利かないところって、まだ肉体感覚を味わうことに熱中してる状態だからなんだろうなって思います。つまり牡羊座の直情的な突撃力が肉体に対して及んでるって見て良いんじゃないかな。で、表面上は穏やかに見えるけど内面では次々と現れる肉体的感覚を味わうのに必死。なにせ肉体持ったばかりですから。気持ちよすぎてやめられない。で、牡牛座の天体って五感を通じた気持ちよさがキーになります。というのは、楽しく気持ちよくないと没頭できないので。苦しいことをする段階じゃないんです。まだまだ、2番目のサインなんで生まれたばかりで、義務とか効率とか考える状態ではありません。